紀尾井ホールにて第139回定期を聴いてきました。協奏曲狙いですw。バラナス嬢は2年ほど前からSNS上で見つけ、チェックしてきたヴァイオリニスト。ちなみにお姉さんはチェロです。パウクの弟子ということで好みに近いと、出資しました。正解です。
堪能しました。ホールの特性上、音が散ってしまうので前から3列目をゲット。ソリストの真正面で最高の席。私はタイレクト音を聞きたい派なのでここなのです。
弓使いが素晴らしい。ブレない、コントロールが効いている。それが音に現れ、艶やかでブリリアント。少々、音が小さいかと思われますが、ホールのせいもあるでしょう。オケとコンタクトを取るために後ろを振り向くと途端に音が飛んでこなくなる。足は舞台端に固定、ヴァイオリンも客席に向けて45度で固定して欲しかった(シェリングかw)。
ドヴォルザークのコンチェルトの生は竹澤恭子の生を聴いて以来(サントリーホール)。これもかれこれ20年くらい前?慈歩の中では名演でしたよ。録音では色々聴いた上(パイネマンをはじめ、スーク、パールマン、諏訪内、みどり、リトル、ファウスト、ハーン、ムター、シュポルツルなどなど。結構有名どころが録音してます)で特にお気に入りは最近のヘムシング盤。慈歩にとってこの曲は上手いだけでダメ。特に2楽章の惻々とせまる抒情性を表出できるかどうか。先に挙げた録音の中でも好き嫌いはあります。纏綿とし過ぎるのも嫌だし、素直な音楽でいながらそれができる自然な演奏がいいんです。その中でもバラナスは出色!
たまたまですが、好みのヴァイオリニストが1990年生まれに集中。バラナスにリヤ・ペトロヴァ、そしてエルビョルグ・ヘムシング。生が聞けてないのはヘムシングだけになりました。いずれ。
おっと、KCOも良かった。もう20年ぶりくらいになるでしょうか、久しぶりでしたが、ピノックさんのロマン派音楽、期待していなかったのですが、良い方に裏切られました。めっちゃ良かった。最初のオイリアンテは出だしが早すぎて、こちらの耳がホールの残響に追いつかず、一瞬戸惑いましたが、徐々に慣れました。オケが小編成ということもあるかもしれませんが、ヴァイオリン群は少々トレブルがきつい感じ。youtubeの紀尾井ホール・チャンネルでも高音はきついのでホールの特性でしょう。これも慣れですかね、個人的にはジャリつくよりはベルベットな音色が好みなもので。
しかしメインのシューマンの第1は素晴らしかった。起伏に富み、コントラストも素晴らしく、シューマンらしさが充溢。滅多に聴けるもんじゃありませんでしたよ。退屈な経過句みたいなところも微妙にテンポを速めてワクワク感満載。こうでなきゃあねシューマンは。ブラボー。